Winney作者 有罪判決

 Winny開発者に有罪判決(IT Media)
 Winney作者である金子氏が京都府警に逮捕され、著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助の罪に問われていたが、このたび、罰金150万円(求刑・懲役1年)の有罪判決が下った。
 さて、ここで何が問題なのか、ということだけど、一般的には著作権法違反を犯したのだから問題なのは作者のほうである、という意見が大半だと思うが、実はこれは硬直化した考え方に過ぎない。単純にこのように裁いてしまうのは簡単なことであるが、裁いてしまうことで日本のソフトウェア開発技術が交代する可能性もある、ということだ。
 極端なたとえを用いると包丁は料理をするのに必要である。だが包丁は人も殺せる。人を殺すための道具を製造している製造業者は殺人を助長している。つまる殺人幇助だ!と。
 まあ、このあたりの話題であればほかのニュースサイトや詳しいことを知っているブロガーが絶対に取り上げるだろうから省くけど(調子に乗って間違ったことを書いて恥をかきたくないのでw)、個人的にはこの技術ってIPv6時代にはものすごく有用な技術なんだろうなぁってこと。
 つまりIPv6デファクトスタンダードになることで、膨大なIPアドレスにより、全世界の人口に対して、一人に一つのグローバルIPアドレス。それだけじゃなくその人が使っている家電にもグローバルIPアドレスが割り振ることができるようになる。
 ではそれらのIPアドレスをどのように管理するのか、従来どおりサーバに管理させるのか、それは膨大なIPアドレスの管理に対して効果的なのだろうか、ということが容易に想像できる。
 P2P技術というのはこのようなサーバ経由ではなく、直接PCとPCとで情報の共有を可能にすることができる。つまり現実世界で言えばお互いがお互いのことをわかっている場合に、メモから重たい物までいちいち仲介人を通して相手に渡すよりも、当人同時が直接必要なものを手渡ししたほうが、仲介人にとっては負担がないよ、ということ。しかもこの仲介人が相手にするのは場合によっては何万人、何十万人にも上るわけだから、さらに効率のよい通信技術が確立しないといつまでたってもいたちごっこになってしまう。ただでさえブロードバンド化によって転送量が増大しているのに、だ。
 ちなみに簡単にP2Pを試せる方法がある。それはMSNMessengerやYahooMessengerなどで、ファイルの送信を行えばよい。このファイル送信は実はP2Pで接続されている。

 ただ、しかし、今回の場合は金子氏が2ch内で著作権法を脅かすような目的で用いられる可能性があるにもかかわらずソフトを開発した、という疑いがぬぐえないのでこの判決は確かに妥当なのかもしれない。たとえば、Winneyがまったく2chとは関係ない独自のWepページであらかじめ公開されていて、それを2chねらーが発見し、使用し始めた、としたらこの逮捕と判決は不当だとは思うが、スレの中でねらー好みのソフトを作る、というような趣旨の発言があったらしいので、もしそれが本当であればそれは包丁ではなく、コンバットナイフ、という扱いになるだろう。
 
 これは金子氏を擁護するわけではないが、唯一ついえることは警察(特に京都府警)は無理にでも犯罪者を作りたがっている節は見受けられる。というのもこのWenney作者逮捕のあと、未踏ソフトウェア開発と認められたSoftEatherでさえも、警察は不正アクセス禁止法の幇助ということで立件しようとしていたことがあったらしい。さすがにこれは無理だと踏んだのか馬鹿な真似はしなかったけど。
 日本でのIT技術の進歩は確かに目覚しいものがあるが、このようなイノベーションを破壊するのが国の力だ、というのはほとほとあきれてしまう。しかし国民ももっとIT技術に対して目覚めていいと思うのだが……
 たとえば従来の日本企業型の雇用形態である終身雇用と土木建築などの下請け制度のせいで、本当に無駄な部分が多い。(別に終身雇用制度が悪い、といっているわけではなく、終身雇用制度のよい点はわかっているつもり)
 おっっと話がそれちゃった。
 
 まあ、なんにせよ、この事件は日本のIT技術力の成長に少なからず一石を投じたんだよ、ってことで(´・ω・`)
(単純にこれ以上書くと話がぐちゃぐちゃになりそうだから撤退〜〜〜〜〜)

参考:
http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/sether/2004/02/02/
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0401/08/news095.html